2005年04月27日

カーボン弓を使ってみた。

bows01.jpg

←弓先の比較。下がカーボン弓。
bows02.jpg

←弓元。フロッグにアイが
入っているほうがカーボン弓。

注文しておいたカーボン弓が届きました。ヤマハのCBB301です。箱には
"MADE IN CHINA"と書かれています。部品まですべて中国で生産されて
いるのかどうかについては不明です。

長さ、重心の位置はほぼ同じ。重さは現用の弓(スイスFinkel社製 "LEFIN")
よりほんの少し重いように感じます。以下は今日、とっかえひっかえしながら
弾いてみた印象。比較の対象はもちろん現用の弓です。

・大きな移弦やすばやい弓の返しのときでも、弓が比較的暴れにくいような
気がする。音の頭もわりとはっきり出やすい。

・少し力を入れて弾いた場合の反発の返る感触がだいぶ違う。現用弓では
材自体が必要以上の圧力を上手に逃がしてくれているような感覚があるのだが、
カーボン弓は加えられた力の反力がほぼそのまま手元に戻ってくるような
感触。反発力が木に比べて強いのか。やや融通が利かないような気もする。

・楽器の音色もやや変化する。ぼくが自分の楽器のよい特徴のひとつと
考えている「音色の明るさ」がやや抑制されるように思われる。ただし
非常に気になる、という変化ではない。

・カーボンファイバーの材質は、慣れるまでの間は弓を持つ手との
なじみ具合が多少気になるかもしれない。

以上、現用の弓と比べればやや勝手が違うな、というのが正直な感想です。
慣れの問題もありますが、メインの弓として使うことには多少躊躇します。
価格(売価4万5千円)から考えれば弓の性能は十分満足すべき水準に達しており、
実用上の問題はほとんどありませんが、位置づけとしてはあくまでメインの
弓が毛替えや損傷などのために使えないときの予備、という当初予定していた
通りの使い方になると思います。時々は使ってみるつもりですが。

あと気になっていた付属の毛ですが、とりあえずは実用に堪えるものが
ついている模様です。ただし毛を張ったときに妙に伸びるような感じがしたのが
多少気にはなります。しばらくはそのまま使うつもりですが、不具合が
出てくれば早めに一度交換しておく予定です。

弓元の巻皮の両端の処理がやや雑なところも、気になる人には気になるかも
しれません。ぼくは「まあ価格相応やね」と思うことにしていますが。
posted by とりぷる at 23:59| Comment(2) | TrackBack(1) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんわ。
短いフレーズを普通の弓とカーボン弓で引き比べて録音したら面白いかも。案外違ったりしたら面白いかもしれませんね。
Posted by てぽ山 at 2005年04月28日 23:01
てぽ山さん、こんにちは。

弾きくらべですか・・・ううむ、あまり違いは分からないかもしれませんよ。なぜなら弾く人間のほうが非常にコセイテキですから。
Posted by とりぷる at 2005年04月29日 21:47
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