
ショスタコーヴィチ : 弦楽四重奏曲第3番ヘ長調
同 第5番変ホ長調
エーデル四重奏団
輸入盤 : Naxos 8.550974
ナクソスから出ている、ハンガリーのエーデル四重奏団による
ショスタコーヴィチ : 弦楽四重奏曲全集の第3集。ぼくをショスタコーヴィチの
室内楽の世界に引き込んでくれた、個人的に記念すべきディスクです。
この四重奏団の演奏の特色は、何よりもまずそのすばらしい「声」にあります。
つややかで、柔和で、それでいて明晰な発音。第3番の第1楽章冒頭の
ヴァイオリンの歌いだしや末尾のフラジオレットなどは、「チャーミング!」
のひとことに尽きます。今譜面を確かめてみましたが、第3番の第1楽章冒頭には
ちゃんと「ドルチェ」と書いてあるのですね。
彼らの演奏を他の団体の演奏と比較して、ちょっとなよなよしていると
いう印象を持つ人もいるかもしれません。しかし「声」は優美であっても
演奏そのものに緊張感の欠けたところがあるというわけではなく、決めるべき
ところではしっかりと決めてくれます。むしろ心に染み入るような彼らの
優しさに満ちた「声」こそが演奏に説得力を与えている、ぼくにはそのように
思えます。
さすがに13番あたりからあとの最晩年の諸作品では、もう少しぎりぎりの
切実さがもう少し演奏に現れてくれれば、と思うところもないではありません。
しかしそれも悪い演奏というわけではなく、全体としてこの団体による全集は
かなり高い完成度に達している、と言ってよいのではないかと思います。
参考までに全集の第3集以外の盤の収録曲とディスク番号を以下に記しておきます。
第1集 (第4、6、7番) 8.550972
第2集 (第1、8、9番) 8.550973
第4集 (第2、12番) 8.550975
第5集 (第14、15番) 8.550976
第6集 (第10、11、13番) 8.550977


