2012年02月27日

J.River Media Center対応のリモコンアプリ各種テスト。

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さて、次の4種類のリモコンアプリを試してみた。My River(250円)、PlugPlayer(450円)、JRemote(850円)、RiverMote(850円)(価格は2012年2月26日現在)。PlugPlayerのみ汎用のアプリ(DLNA規格に対応するプレーヤーソフトなら大抵操作できる)、そのほかはJ.River Media Center(JRMC)に特化した作り。

Rivermoteは正直使えない。PC側に接続のためのソフトウェアを別途インストールし、何番のポートを開放させるようウィルス対策ソフトの設定をどうこうし・・・などとPCについてある程度以上のスキルを持った上で面倒な手続きを経なければ使えるようにならない。そんなスキルはないぞ。高いくせに不親切。おまけにこのアプリのダウンロードページの説明文には「Warning : Due to the lack of library access through the JRMC API the ability to browse your entire library is NOT available in Rivermote.」などと書いてある。ダウンロードしてしまってから気づいたorz
機能制限は仕様ですってか? やっとれんわ。てなわけでRivermoteは評価対象外。

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PlugplayerはDevicesボタンをタップするとメディアレンダラーおよびメディアサーバーの選択画面が出る。LAN内にあって利用可能な機器がリストアップされる。自分の場合は音楽PCがHDDに持つデータをそのまま音楽PC自身に再生させるので、レンダラー・サーバーともに音楽PCにつけた名前が表示されているところをタップすればよい。操作感はおおむねスムーズ。デザインも洗練されている。ただギャップレス再生ができない(間隔が空き、ノイズも入る)。

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My RiverはSettings画面で「Access Key」(JRMC側で「ツール」 - 「オプション」 - 「メディアネットワーク」とクリックしていき、「Use Media Network to share this library and enable DLNA」にチェックを入れるとすぐ下に表示される)を入力すれば使えるようになる。デザインは正直ダサい。日本語のフォントがなんか変。中華っぽい。動作も反応が遅く、スクロールさせると滑らかに動かずカクカクする。ギャップレス再生は可能。アルバムを一覧から選び、曲一覧を表示させ、一番上の曲をタップしても再生はすぐに始まらず、いくつかボタンが出てくる。そのうちの「Add(to end)」や「Play」をタップするとようやく再生が始まる。ただしこれだけではアプリ内のプレイリストに今再生開始したトラックしか入っていない状態になる。それゆえアルバムの全曲を再生させるためにはいちいちすべてのトラックをタップして「Add(to end)」でプレイリストに加えてやる必要がある。ものすごく面倒くさい。

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JRemoteの接続方法はだいたいMy Riverと同じ。初めてPCと接続するときには画面表示で案内してくれるので分かりやすい。画面デザインは素朴だが格好悪くはない。動作もスムーズ。ギャップレス再生も問題なく可能。JRMCをリモート操作したいなら、少なくとも現時点ではこのアプリで決まりだろう。高いけど。ただしギャップレス再生は必要ない、というひとであれば少し安いPlugPlayerを選んでもいいだろう。

最後にJRMCでiTunesとライブラリデータを同期させる方法について。「ファイル」タブをクリック。「ライブラリ」 - 「インポート」とたどってクリック。「メディアのインポート」と書かれた窓が出てくるので「Configure Auto-Import」を選択してから「次へ」をクリック。「検索するファイルを選択してください」と書かれた欄の右側にある「参照」ボタンをクリックし、iTunes側で「iTunes Media」フォルダに設定しているフォルダ内に作成されている「Music」フォルダを選択してから下のほうの「完了」をクリック。iTunesに新しいアルバムを取り入れたあとでこの操作を行うと、JRMC側でも新しいアルバムをライブラリに表示させることができる。

さてあとはプレイリストのインポートだが・・・。
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2012年02月21日

J.River Media Centerのテスト。

以前試用してみて結局使わなかったJ.River Media Centerをもう一度テストしてみた。このソフトはWasapi排他モード・イベントスタイルに対応、メモリにデータを読み込んでからの再生にも対応している。そしてiPhoneやiPod TouchにRivermote等のアプリをインストールし、Media Center側でしかるべき操作を行ってやればリモコン操作ができる。実はこの「リモコン操作」という点が今回の再テストを行った最大の理由であり、PlayPcmWinの音質に加えてリモコン操作もできたらスゲー便利だなあ、と思ったのである。

で、JRMCをインストールして、これまで作ったライブラリを読み込んでやる。ファイル数が多いので時間はかかったが問題なく読み込めた。カバーアートの表示もOK。ここでiTunesで行っているような複数ライブラリの作成・管理ができるかどうか試してみた。結果はOK。手順は長くなるので省略。誰かに訊かれたら答える。ひとつだけ書いとくと、JRMCはソフトを起動したままでライブラリの切り替えが可能。iTunesみたいにいったん終了して、アイコンを右クリックで出るメニューの「開く」をShiftボタンを押しながらクリックし、ライブラリの選択画面を出して云々、という操作は必要ない。この点はiTunesより便利。

サムネイル画面をホイールを使ってスクロールさせると、iTunesのようにいっぺんに動くのではなくなだらかに動いてくれる。これもよい点である。

ところで以前の記事で「どのようにスライダを操作してもアルバムアートがぎちぎちに詰めて並べられる」「アルバムタイトルとアルバムアーティストをアルバムアートの下に同時に表示できない」と書いたが、これらはいずれも調整可能であることが分かった。
右ペインをアルバムのサムネイル表示にし、「アルバム」と書かれたタブにポインタを合わせるとプルダウンメニューが出る。そのメニューのうち「サムネイル」にポインタを合わせると右に別メニューが出る。「No Thumbnail Spacing」「Small〜」「Medium〜」「Large〜」のいずれかをクリックすることによってサムネイルの間のスペースを4段階で調整できる。

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またその上の「サムネイルのテキスト」をクリックすると「式エディタ」という窓が出る。窓の中の適当な場所を左クリックするとカーソルが現れる。と同時に式の文字列が全選択状態になってしまうのでもう一度適当な箇所を左クリックして選択状態を解除する。Enterキーでカーソルを次の行に。右クリックで出るメニューから「関数挿入」 - 「AlbumArtist(...)」とたどってクリック。これでサムネイルの下の表記が「アルバム名」と「アルバムアーティスト」の2行になり、iTunesで編集したタグ情報を反映させることができた。

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ギャップレス再生を行わせるための設定は、「プレイヤー」 - 「再生オプション」とメニューをたどって「オプション」ウィンドウを開き、「トラック変更」の「トラック切り替え」を「ギャップなし」に設定。「無音部分は再生しない(曲の前後)」のチェックを外し(外さないとトラックが切り替わるときノイズが発生する)、「連続したアルバムトラックはギャップなしで再生」にチェックが入っていることを確認。これでOKだった。

同じ「オプション」ウィンドウの中に「ハードウェア同期のスタートアップで無音を再生」という項目があり、この項目で再生を開始してから実際に音が出始めるまでの時間的猶予を設定することができる(最長10秒)。

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また「ディスクのかわりにメモリーからファイルを再生する」という項目があるが、これにチェックを入れたときの動作は、プレイリストに読み込んだファイルを一気に全部読み込んでから再生を開始するPlayPcmWinとは違って、再生が途切れない程度に「ちょびちょび」HDDからメモリにデータを渡しているようである。HDDのアクセスランプを見た限りでは。なので再生がすぐに始まるのはスマートではあるが、もし自分の推測が正しいならば再生中には結局データドライブへのアクセスは発生していることになり、それは音質的にどうなんだろ、とも思う。聴いた限りではあまり影響はなさそうだが。

できなかったこともある。まずサムネイル表示の背景が真っ白でまぶしいので色を変える方法がないものか探したが見つけられなかった。次にiTunesでこしらえたプレイリスト群のインポート。iTunesで出力できるプレイリストのファイル形式のうちいずれを選んでも、階層が全然反映されなかったり、あるいはJRMCが異常終了したり、という有様だった。自分はiTunesでは枚数の多い全集ものでも、同じアルバムアートがずらずら並ぶのが嫌なので、すべてひとつのアルバムとして管理した上で、各ディスクごとのプレイリストを作って登録していた。それが参照できなくなるのはかなり痛い。また作り直すのもメンドいし。

音質はまあPlayPcmWinと遜色はない。多機能なソフトだが音楽再生のときにCPUにかかる負荷はそれほど大きくはない。ギャップレス再生もとりあえずうまくいった。でも上の「できなかったこと」がいささか引っかかり、導入にはもう一押しが足りないか、というのが今の気分。実費はかかるが明日リモコンアプリをインストールして操作を試してみよう。
posted by とりぷる at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月19日

Esoteric K-05導入。

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EsotericのSACDプレーヤー、K-05を導入した。先代DENON DCD-CX3は実働わずか2ヶ月となったが退役、先々代のCEC TL2X-Mk2ともども軍資金の一部となった。
自分の目論見はSACD再生の品位向上よりも、このプレーヤーのDAC機能、とりわけそのPCM-DSD変換機能を活用しPCからのファイル再生の音質を改善すること。それゆえK-05ではなくDAC単機能のD-07x(2月下旬発売予定)を選択し、DCD-CX3を残すという選択肢もあったが、「ハコをひとつ少なくできる」というメリットをどうしても捨て去ることができなかった。オーディオ屋のオッチャンにちっとばかりソソノカサレタためでもあるけれど。
DCD-CX3も決して悪いプレーヤーではない。価格相応の面は確かにあるけれど、SACDの品位は十分に感じ取ることができた。

FOSTEXのDAC機能つきヘッドホンアンプの新製品HP-A8もDSD「再生」機能を持ち、しかもK-05やD-07xよりかなり購入しやすい価格なので一度は候補に挙げた。しかし、「PCからのDSDデータ直送りには現時点で対応しておらず、当面の間(DSD直送りのための規格が固まり、それに基づいてドライバのアップデートが行われるまで)DSDファイルをコピーしたSDカードを背後のスロットに差し込んで読み取らせるほかないこと」「手持ちのライブラリをDSD化するには大容量のHDDが複数必要になり(CDからのリッピングファイルを2.8mHzのDSFファイルに変換した場合、自分の実測値では3.8倍程度にデータ量が増大)、また長い変換時間を要すること」「DSDファイルがPCから再生できるようになっても、ギャップレス再生にまで対応するかどうかは未知数」「ヘッドホン使わないし、また例え使うことになってもプリアンプに端子がついてるのでヘッドホンアンプ機能はイラネ」といった理由で見送った。K-05やD-7xは機器側でDSD変換するように設定しておけばPC側の設定変更等は要らないので楽だ。HDDを積み増す必要もないし、今までどおりのやり方でギャップレス再生ももちろんできる。

K-05と同時に購入したのがオヤイデのContinental 5S(USBケーブル)0.6mとタオックのSUB-50G(オーディオボード)。USBケーブルはもう少し安いのにしようかとも思ったが、あとで「もうちっとエエのを買っといたほうが・・・」云々などと気をもむことになるのもできれば避けたいので、「ある程度高品位のものを買って長く使う」というこれまでの自分の原則に従いこれを選んだ。ボードは今まで使っていた同社ラックSS-3の棚板の代替品。元の棚板は購入当初からよくまあこれで検品通すわいと呆れてしまうほど湾曲していた。床に置いて上から押さえてみるとごろごろ転がるくらい。3点支持にして今まで凌いできたが、なんぼなんでもこのボードの上にVRDSメカは載せられん、ということで交換。タオックに二度儲けさせるのは正直いささか腹立たしかったが、他に入手しやすいボードがないので仕方がなかった。よく見ればこいつも厳密にツラが平らにはなってなさそうな感じだが、元の棚板よりだいぶマシではある。

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音楽PCも大幅にダウンサイジング。これまでは同軸デジタル出力を持つサウンドボードを使っていた関係でLian-LiのPC-C33というでかいケースを使っていたが、フルサイズのオーディオ機器とこれを重ね置きするのはいくらなんでも野暮ったいと思ったから。以前お遊びで購入したShuttleのベアボーンXG41のマザーボードをASUSのP8H67-Iに換装。CPUはIntel Core i3 2120T、クーラーはScytheのKOZUTIを装着。サイドファン撤去。起動ドライブはCrucial RealSSD 64GB、これは流用。データドライブを載せるスペースがないので2.5インチ1TBのHDDを2台、Scytheの静音HDDケース氷室miniにくるんで上に載せた。これまで作ってきた1.3TB超のiTunesライブラリとプレイリストをそのまま移植したいので、バックプレートを外して内部コネクタと連結、2台のHDDをスパンボリュームとして運用することにした(USB接続ではOSの仕様上スパンボリュームを作れないから)。組んだあとでドライブの空きがいささか心許なく感じたので、試験的に先代で使っていた3.5インチHDD(3TB)+氷室に乗せ換えてみたが、HDDの回転音が耳についたし、それに見た感じあんまりカワイクないのでやめた。まああと500GB以上残ってるし、これを使い切る頃には2.5インチHDDの容量ももっとでかくなっているだろう。あとXG41の筐体の脚部はわずか数ミリの、あってないようなものがついているだけで、放熱の面で非常に心配だったので、以前のDACに使っていたJ1 ProjectのIDSコンポジットなる青色の樹脂でできたキャップ状のインシュレーターで3点支持し、空隙を確保。同じ材質の四角い板状のインシュレーターも余っていたので、これを氷室miniの上に乗せ、その上からこれも使わなくなったRosenkranzのSTB-1を2台のHDDの間を渡すように乗せて鳴き止め。

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PCとK-05とのUSB接続も、あらかじめドライバをインストールしておいたのですんなり終了。さっそく音出しに入る。まずはSACDから。ディスクはマイルス・デイヴィス・クインテットの『ワーキン』。SACDシングルレイヤー仕様である。
やや冷ややかな感じはするものの、非常に粒立ちの細かい、かつ伸びやかな響きがスピーカーから飛び出してきた。マイルスのミュート・トランペットはとてもリリック。コルトレーンのサックスも熱意たっぷり。他のメンバーもとても伸びやかに演奏している様子が伝わってくる。ほぼ期待通りの出音。
ところでこのプレーヤーに関する記事をネットで検索していたときに、「今までは緻密な解像度を重視していたエソテリックはKシリーズ以降音色の傾向を変え、より音楽的な表現力に比重を移した作り込みを云々」といった意味の記述をどっかで見かけた。今回導入したK-05以前のエソテリックの機器はほとんどまともに聴いたことが自分にはないのだが、K-05の音を聴く限りで判断すると、音楽的表現力の向上に舵を切ったとしても、解像度の高い緻密な音への志向はこのメーカーのいわばDNAとして残っており、また残り続けていくものではなかろうか、という気がした。
次にUSBアシンクロナス接続によるPCからのファイル再生。素のままのDA変換の音とDSD変換処理を経た音をベーム/VPOの『ブラームス : 交響曲第1番』にて比較。こちらも十二分に解像度の高い音。というかいささか固い。これはK-05だけでなく銀線が使われているContinental 5Sの状態も関係しているのだろう。ともに鳴らし始めたばかり。しかもネット上のある記事によるとContinental 5Sはかなり長めにエージング期間をとる必要があるとのこと。
続いて最大のお目当て、DSD変換を行ってみた。音色の傾向にあまり変化はない。空間的な情報量の拡大も、多少は見られるものの、正直期待したよりは少なめ。まあこれはソースファイルのもともとの音質や機器のエージング具合にも左右されるだろうからここで評価を固定することはできないし、したくない(笑)。ただ音の分離が自然さを保ちながら明瞭になり、かつストレス少なく響くようになった、という変化は感じ取ることができた。結果として聴き手である自分もより自然に音と音楽に神経を集中できるようになった、気がする。

さて。このUSB再生にあっては、いささか面倒な問題も生じている。PC側の送り出しをWASAPI排他モードにすると、K-05側の各種設定をあれこれ変更しても、再生開始直前にDACの周波数ロックに関わるものだろうか、「ボツッ」あるいは「ピシッ」というかなり耳障りなノイズが出てしまうことが非常に多い。いろいろなファイルで試してみると、このノイズが出ても小さい音量だったり、あるいはノイズの発生が確認できない場合もあったり、非常にまちまち。そのぶん余計にタチが悪い。WASAPIを共有モードにするとこのノイズは出なくなるのだが、解像度と音の鮮度は明らかに低下する。だからこのモードは使いたくない。
結局当座は、非常にテクニカルでないやり方だが、「15秒程度の無音ファイルを作り、これを再生リストのはじめに置く。再生開始時にはボリュームを絞っておき、開始後無音ファイルから次のトラックに移るまでの間にボリュームを調整する」という方法で対処することとした。再生ソフトは現在のところPlayPcmWinでしか試せてないので、他のWASAPI排他対応再生ソフトでの検証も必要だが、それはまあぼちぼち行くことにする。

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posted by とりぷる at 00:10| Comment(2) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする